国立新美術館

この前の日曜日、例のゴア氏の地球温暖化ドキュメンタリー映画「不都合な真実」の映画を見ようと、家族で六本木ヒルズへ出かけた。出かける時間がちょっと遅かったこともあって、14時の回が見られれば。。。と思っていたのだが、甘かった!映画館のチケット売り場には、凄い人だかり。お目当てのものも最後の回のみしか残っておらず、ガッカリ。
あっさり諦め、ならば最近できた“国立新美術館” 【click!】へ行こうではないかということになり、目的地変更。

つい最近オープンということで、マスコミに取り上げられていたので、外観はよく知っていた。
シルバーの枠組みで囲まれたガラスで大きく波のようにうねる外壁一面が覆い尽くされている。外から見ると冷たく、無機質に感じられた。
中に一歩足を踏み入れると、日差しが心地よく入り込み、なかなか居心地がいい。ふと気付くと、足元はブラウンの木の床。
あぁ、これが居心地を良くしている張本人ね!天井も高く、そこここに一休みするためのデザインのいい椅子が置いてある。(座ってみると、あんまり心地が良くなく、ホント、一休みだけの為にあるのね!という椅子)通路も広くつくってあるので、たぶんかなりの人が来館していたと思うのだけれど、混雑がさほど感じられなかった。この日は、メインの展示(入場料が必要)のほか無料で見られる展示が2つ程あった。
その一つ「日本の表現力」という展示を見ることにした。(この美術館は、館内に入るだけだとお金はかからない。)これは、アート、エンタテインメント、アニメーション、マンガ、ロボット、ゲームなどの変遷を年代別に(江戸から未来)代表作を展示してある。アニメやマンガ、エンタテインメントなど身近にあるものなので、はまっていた時期の物は親子共々、それぞれに懐かしさを感じ盛り上がれた。
昔の漫画のドラえもんのシルエットが、今以上にずんぐりむっくりで、くびれがあまりにも無さ過ぎで。。。w

たっぷり堪能した後は、B1Fにあるカフェテリアで一休み。
それから、スーベニアショップを一回りし、そこで『のぞく』(文・天野祐吉 写真・後藤田三朗 絵・大社玲子 福音館書店)という写真絵本を見つけた、子供や時には大人が色んなところを覗いているモノクロの写真に、ユーモアの効いた文章が付け加えられている。なんとも可愛くて、ぷっ。。と吹きだしたくなるような本で、ダンナが“こんな事前からやってみたかったんだよ!”とちょっと悔しがりながら購入。

かくして、我が家の休日は予想以上に充実したものとなったのでした。

ココは乃木坂の駅からすぐなので、ウチから割と楽に行ける。
平日の昼間、お気に入りの本を持って。ぷらーッと立ち寄り、豊かな空間で、緩やかな時間を過ごすのもいいかも
と一人こっそりたくらんでいるのでありました。

| | コメント (1)

『スーパーエッシャー展』

先日、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催されている『スーパーエッシャー展』を家族揃って見に行った。


エッシャーといえば“だまし絵”、小学生くらいの頃、学研や小学○年生なんかの本によく掲載されていたのを覚えている。この前もコドモの“学研の科学”の本にちょうど特集が載っていたようで、コドモも興味津々だった。


Bunkamuraに着いたのはお昼ちょっと前くらい、チケット売り場は短い列ができている程度だったが、中に入ると結構な人。入口では、何とNintendoのDSライトが無料で貸し出され、絵(版画)の説明が音声と、画面の両方で受けられるようになっている。これがなかなか便利、細かいところなど、DSのタッチペンで拡大して見られるようになっている。


マウリッツ・コルネリス・エッシャー(M.C.エッシャーと表記さている。ヒップホップのミュージシャン? 笑)は、1898年に生まれたオランダの画家で、1972年に亡くなる直前まで、意欲的に作品を作り続けていたらしい。彼の父親は土木工学の専門家で、明治時代に日本のインフラ整備のために招かれていたそうだ。


最初の頃の作品は、“だまし絵”とは程遠く、(我々がよく知っている“だまし絵”の作風はかなり後期になってからのものらしい)自画像や部屋から見える風景、身近に見かける昆虫などを版画にしている。だがしかし、またこれが緻密で細部にわたってかなりリアルに再現してある。
コレが版画!!と言うほど。。。部屋の中にある何気ないもの、例えばグラス、レースのハンカチ、歯ブラシなど、グラスは正に透明に見えるし、レースのハンカチのやわらかな質感、歯ブラシの毛先一本一本、それが鏡に映っているさまもまた見事に忠実に再現されている。


次の時代は、彼がイタリアに旅をした時に感銘を受けた風景を版画にしている。コレもまた素晴らしい!
版画を彫る時に、横の線のみを彫りモチーフを浮き出させていたり、縦線のみ、格子のみなど色んな方法で版木やリトグラフに手法を試している。直接的にそのモチーフの線を彫っている訳ではないのに、教会のアーチ曲線や複雑な形などがしっかり浮き出ているのだ。ホント!びっくり仰天。


さて、この次の時代あたりから、だんだんとだまし絵の要素に近づいてくる。
この時代には、タイルのモザイク模様に用いられているような「平面の正則分割」に興味を抱いたようだ。
モザイク模様の場合、幾何学図形のような無機質なものだが、彼はそれを魚や、トカゲ、鳥など命あるものに置き換えて表現していく。しかし、モチーフを正則分割していくその手法は、その形を方眼紙上に記号化し、法則を見出していくといったように実に数学的で、絵画や版画とは程遠いように思える。(まるでジグソーパズルを作っているような)
彼自身も、「私は、画家より科学者や数学者に共感を覚える」といっているように。。。
そのような、綿密に計算された結果、まるで、チュニジアのモスクのタイルやバリのバティックを思わせるような文様を表現することができるのだろう。何とも感心させられる。やはり根気強い!


これらの時代を経て、彼は遂に他とは違った得意な視点で見、表現した作品“だまし絵”に到達していく。


エッシャーの作品を見ていると、球面上の空間の歪みや、平面状に表現してあるにもかかわらず、奥行きが永遠に続いているように思える立方体による空間分割など、今で言うCG的なものが随所に感じられる。
時代を先取りしているというか、それが彼の脳の中で計算され、彼の手によって形になっているということのすごさ!正に『スーパーエッシャー』のタイトル通りである。
そして、どの時代の作品も古臭さを感じさせない、それは彼が一つの概念に固執せず、柔軟に考え、自分のやりたいことを素直に表現しているからなのであろう。
後の世に名を残す人々の卓越した才能をまざまざと見せ付けられた気がした。


2時間程を費やし、じっくりと作品を鑑賞し会場をあとにした。
出口を出た瞬間、驚き!入口には長蛇の列が。。。入場規制がかかっていて、1時間待ち。。。まぁ、1時間待っても見る価値は十分です。
出口には、エッシャーの作品をフィギアやキーホルダーにしたものが入っている“ガチャポン”が置いてあり、お土産に2回(1回200円)トライ!一つは竜をモチーフにしただまし絵のキーホルダー。もう一つは版画の一部がフィギアになってるやつ(ちょっとへん)まぁ1勝1敗ってとこですか。


かくして、久々の芸術鑑賞は驚きと、関心の一言につきたのでした。

| | コメント (0)